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大正12年の味

子供の頃といえば
もう40年も前の話になり
その当時、富山はまだ外食文化はかなり薄かった気がする。
食事は家でするもの、というのが基本だったから
外で食べることはひじょーにインパクトがあって
子供心に強く、特別な出来事として刻み込まれた。

富山駅前にあったユニーに週末に食料品の買い出しに行く、というのが
父と母、あるいは父と母と私、ときには父と私、の恒例で
父と私、のときはなんとなく、父の思いつきでちびっこだった私連れでついでランチに寄り道することがたま〜にあり
それは家からでかけるときにはたぶんもう父の頭の中にスケジュールとして心づもりができてて
母に『おにぎり作ってくれる?』と頼んで最初からおにぎり持参のときは西町の大喜行き。
そうじゃないときのあるときは路地裏の、カウンターしかないちょっと汚め(古め)な店内のとんかつ屋さんだったりもした。
店の名前は思い出せないけど、壁にやたらと巨人軍選手のサインとか長嶋さんがらみのものが飾ってあって
店のオーナーが長嶋さんファンなのかな、と思った印象だけは残ってる。
で、そうじゃない別のときのこと。
記憶としてはたった1度だけだったと思うけど
子供だった自分にはとても落ち着いた新鮮な空間だったから
今日までしっかり覚えていた店。
それが総曲輪の蕎麦屋『つるや本店』 。

富山に来て2年半。この店の前を何度も歩いて、ここだったなーと眺めてはいたんだけど
近すぎて、再びの入店がかえって後回しになって今日まできた。約40年ぶりに中へ。

創業大正12年。
店は94年もやってるってことですね。富山市の中でもこういう歴史のある店は貴重。
空襲の前からこの地でやってたのか、それはわからないけど
少なくとも私が小学生の頃にはたしかにもうここにあった。今も素敵な店内にほっとする。

当時、何を食べたのかは思い出せない。
ただ、今日は、普段よそではほとんどオーダーしない、あったかい『きつねそば』を迷いなくオーダー。
なんでかな。 

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しみじみおいしいなぁ〜という感じ。
富山はやっぱり関西と関東の境目なんだなぁと実感する、薄くもなく濃すぎもなくのかけ汁。
揚げをかんだときのじゅわっと甘い煮汁とやわらかい青ねぎ、ただこれだけの具が
素朴なんだけどたまらなくおいしかった。

お客さんはけっこうひっきりなしに来て
常連と思われるおじさんが『かけそばとご飯』とオーダーしてたのが
気になりポイントのひとつになってしまった。
だって
メニューの中には『かけそば』の文字がない。
裏メニューなのか?
それとも『かけそば』で頼めば、それならそれでちゃんと対応してくれるってことなのか?
常連だからそれが通用するのか?
常連じゃなくても言ってみるとオーダーは通るのか?
で、かけそばだといったいいくら?
気にしだしたらきりがないけど
3回4回ほど通って顔覚えてもらった頃にちょっと試しに言ってみたい気持ちもあるな(笑)。 

お店の方はみなさんやさしくて
なんか居心地よかった。
こういう店はずっとこの先も続いてほしい。

 

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by yukari  at 14:46
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