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針せんぼ 針歳暮

私の理解としては
針仕事をする人の針供養的意味合いで
折れた針をこんにゃくなんかに刺してどーこー
というのが針せんぼん なんだと思ってた。

ところが
富山市、黒部市、入善地域ではだいぶ意味合いがちがうらしい。
娘を嫁がせた最初の年のこの時期
嫁ぎ先の実家に
『うちの娘をいじめないでね。可愛がってね。』という思いをこめて
娘の親が贈答品として大福を大量に送り
親戚などにも配ってもらう、
そういうことで『針歳暮』『針せんぼ餅』とも言うそうで。

どういうことかというと
昔、姑にいじめられて
海に身を投げた嫁の魂が
海が荒れるこの時期にハリセンボンに化けて現れて
姑に食いつく(?!)という
なんだかすごい言い伝えがあるそうで。

こないだから
和菓子売り場に、”はりせんぼ”の表示は見てた。
だけど
まぁ大福餅なんでしょ?とわざわざ買うことはしなかったんだけど
夫が仕事がらみのひょんなことから昨日契約で伺うことになった、富山市内のある豪邸で
そこのおじいさんおばあさん夫婦にお茶のおもてなしを受ける流れになり
そのとき
『昔はこの時期いうたら針せんぼはあたりまえやったけど
最近の若い人はあんまり知らんかもしれんね』と言いながら
目の前にこれがぼんと出されたそうで
夫はとにかく聞くのも見るのも初めてだったから
驚いた出来事だったと。
 

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大きなこの大福が各自に2個ずつと
茶托にのったお茶をだされて
お茶はまぁその場で飲んだけど
大福はその場では食べないでいたら
『下にしいてあるの、袋だから、それに入れてお持ち帰りください』と言われてお持ち帰りさせてくれて
なんというか
富山ではお菓子の下に敷いてある半紙や袋でお菓子を包んで持ち帰るとかそういうの
けっこう普通だけど
お茶がちゃんと茶托に丁寧にのせられて出てくるとか
お茶菓子もけっこうなボリュームで用意してくれてるとか
いちいちそういう富山の丁寧さに
九州男の夫はとにかく感動してしまうのでした。
だって、
よその地域ではこんなに丁寧にしないよ?仕事がらみの相手にもそこまで、ってね。
たしかにそれは
よその地域を知った私も実感しています。
富山はとにかく丁寧。お茶文化が根付いてる地域だからでしょうか。
 

そんなわけで
持ち帰ってくれた針せんぼ餅、
これは中尾清月堂のらしいです。
店でよく見るのは、花の焼印がばーんとおされてる全体ピンクとか緑とかのお餅だけど
ここのはなんだか上品ですね。
赤いのは粒あん、緑のはこしあんが入ってました。

別に
嫁がせた娘がいるわけでなくても
この時期の和菓子ということで
毎年、お茶のおともに針せんぼ餅、買って楽しんでもいいかもね、と思った出来事でした。


 

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by yukari  at 20:12
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