現実入門
昨日から、図書館で借りてきた『現実入門』という本を読んでる。
書いたのは札幌の方で、北大を中退して上智の英文科を卒業したという穂村弘さん。
その経歴だけでも面白いのに、
40代になっても自分は人生におけるいろんな経験値が低いことを自覚して
『人生の経験値』という連載の中に、
自分がどれだけのことをこれまでに経験し、また、まったく経験してないのかを箇条書きにしていたようだ。
(そっちも読んでみたい)
そこに目をつけたある方が『それでは、一緒にかたっぱしから経験してみませんか?』と。
それは自分が記事にするのに面白いからという、その方の仕事にからめただけの声かけなんだけど、
その方が笑顔の素敵な女性ということもあって、引っ張られるように仕方なく経験していく状況が
細かく書かれてる。
その一発目が『献血』。
40すぎの男になっても太い針を刺されること、血をとられることが”コワい”らしい。
笑ったなぁ。献血くらい普通一度は経験してるよねぇ(あたしは高校生のときに経験済み)と
横にいた夫に言いながら笑っていたら、夫がぼそっと『オレもやったことない...』と。
え?...夫の顔を一瞬見つめ、あたしはそれはそれは大声で、腹の底から大笑いした。『ここにもいたのか〜!』と。
今度、一度も体験したことない長男と一緒に体験してくれば?と夫にすすめた。『う、うん..』とは言いながらも
男はこういうのがニガテなんだろうか。自分の血の成分もわかるし、ジュースももらえて、
なにより誰かのためにもなるんだろうし、一度体験してもいいことだとは思うが。
『結婚』『家を買う』『海外に行く』(英文科卒なのに一度も海外に行ったことがない、こわい、と)
『モデルルーム見学』『合コン』
『はとバスに乗る』『競馬』『お父さん(という立場)』『相撲のマス席』『健康ランド』と
なるほどなぁ...な項目を初体験していくはめになってく様子が描かれててとても面白い。
経験値という考え方をすると
あたしもいろんな未経験のことはまだまだいっぱいあるなぁ。
未経験だけど、別に今後も経験しなくていいや、なものも当然あるんだけど、
未経験だけど、勇気だして一度経験してみたいよなぁ、なものもちょっとあったり。
数少ない『経験済みなもの』として穂村さんは
『就職』と『しゃぶしゃぶ』を挙げてた。穂村さんはそれしか経験してない、と思ったようだが、
今の時代、『就職』も『しゃぶしゃぶを食べること』もまだ未経験な人、いっぱいいるんじゃ...。
自分にとってはそれくらいしか、なことが
誰かにとっては、それ経験できたなんて充分じゃん、だったり。
けど
あたし、
この穂村さんの未経験項目だった中で自分も未だに未経験なのがあることに気づいた。
『合コン』と『マス席』
『合コン』は経験しなくていい。未だに彼もいない43歳だったら経験すべきだろうが、
夫がいるんだし。
だけど『マス席』はいいなぁ。これはぜひとも経験してみたいなぁ。
今度、経験したこと、未経験なこと、一覧にしてみようか。
43年間の自分がどんなもんだったか、自覚できるかもしれない。