トップページ »  » 指導の仕方

指導の仕方

お盆が終わって観光客も減ったのか
日曜なのに今日は思いがけず、店も暇だった。
ちょうど先週末から新しいバイト君も来たことなので
こういう仕事、まったく未経験の19歳が少しずつ慣れてくには
ちょうどいい暇加減だな、とあたしは思いながらエビの処理をしてた。
自分の経験からも、いきなりあれこれ言われると、圧倒されてしまう。
自分のように経験者ですらそうなんだから
彼は初心者だし、まだ19だし
頑張ろうと入って来てまだ3日目なので
ひとつずつ確実に慣れて、できるだけ不安のない流れで飲食店の厨房仕事をつかんでいけばいいんじゃないかと
あたしは思っていた。息子と同年齢だしなぁ。たとえば息子だったら、
ここの先輩たちがいつもの勢いであれこれ指示して、それをすぐ理解できるとは思えないもの。
きっと彼も、なにがなんだか...だろう。顔も緊張してるし。

ホール担当のバイトちゃん(26歳)も、入って5日目。
居酒屋ホールの経験があるというだけあって、動きも機敏で、見てて安心感はある。
が、
そうはいってもまだ入って5日目。この店のことはまだまだなにがなんだかわからないはずだ。
今朝は、『早めに来るようにって言われたんですが...』とあたしより先に来てて、
「てことは、あたしと一緒に開店準備するってことなのかな?」とあたしも聞き、
さらに、まだ開店準備を習ってないと言うし、「てことは、あたしが教えるってことなのかな?」と。
なので、当初あたしのときは一度さらっとおおざっぱに教えられただけで、いきなりひとりでやれと言われてすごく困った経験から
彼女にはそんな思いはさせたくないので、一からメモに書く時間もとってあげて、
自分の動きに迷いや不安がないようにしてあげた。そのそばを、社員が通りながら『明日からひとりでやってもらうから』と。

わかる、わかるけどね、まだよくわかんない人に、そういうプレッシャーはしょっぱなから与えるべきじゃないと
あたしは思うんだよ...
だけど、ここの社員や長年のバイトの方たちは、皆そういう感じで、入って間もない人にもかまわず
これこうだからこれやって、そんであれも、これもね、あ、そうだ、こっち来て、これも、あれも...
次からひとりでやってもらうんだからちゃんと覚えて...と、どわーっと指示をする。

わかる、わかるけどね、
まずはその半分くらいから慣れさせてあげようよ、だいたいまだ店の作業の流れが全然把握できてないんだからさ...
それに慣れないこの顔ぶれにもまだ緊張してるんだし、言い方もうちょっとやわらかくしてあげようよ...と思う。
だけど同じ職場に長くいる人たちには当然の作業だし、もうすっかり慣れちゃってる作業、環境でもあるわけなので
”一度言えば出来るでしょ”的な感じだ。新人だったときの気持ちなんてもうすっかり忘れてるようでその立場で考えてやるという配慮はない。

自分はまだ厨房経験もあったからどわーっと言われてもそれでもどうにかなってきたけど
入って数日の19とか26とか、そんな年齢の人にはかなりのプレッシャーじゃないかなぁ、と 心配しながら
様子を見てた。
「何時にはあれだからこれを用意して、それからこれはこうしなきゃいけないの、それはね15分後に袋にいれて。」
いくつもたて続けに指示をとばす社員や長年バイトさんたち。
はい!はい!とそのたび返事しながらその作業をやるバイト君だが
たぶんなんで何時にあれなのかとか
なんでそれは15分後に袋にいれなきゃなのかとか
理解できてないと思う。言われたことに動くのでいっぱいいっぱいだ。うーん...

ホールのバイトちゃんも、なにげにこそっと声かけてみたら
本人、不安げな表情だ。そりゃそうだろう。あれもこれもそれもそっちも、といっきに言われて、で、明日からひとりでやってね、なんて
おまけに「今日は何時まで仕事?」と聞けば『(言われてないから)わかんないんですよね...』と。うーん...どこまでも不安だろう...。

店には店独特の雰囲気、流れ、経営があるが
せっかくの名店なのに、新人に対しての接し方についてはちょっと難ありだ。
あたしならそんな教え方はしないし、そんな接し方はしない。
だって新人の気持ちがわかるもの。

by yukari  at 22:02
2022年9月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30