トップページ »  » 札幌で8回目の春を過ごしながら

札幌で8回目の春を過ごしながら

北海道に来て11年目だけど
石狩暮らしははじめの2年8ヶ月だけで
これでもう札幌暮らしのほうがとっくに長くなってる。
じゃあもう札幌になじみきってるかというと
いつまで経っても気持ちが全然なじまない。
こんなに長く同じ環境にとどまってることなんて
過去をふりかえっても、結婚してからもはじめてのことなのに。

ここに住んでる意味を毎日探してる。
もう何年も。
北海道の中では受験を考えるとたぶんこのあたりの学校に通わせとく方がいいのかなという
親心だけでこの地域に移動してきた。
実際、受験にはまにあった気もしてる。
にぎやかで便利な場所を好む次男が今の高校に通うのにも
今はなにかと都合がいい気もしてるし
ここまではまぁよかったのかもしれない。 
だけど
来年次男が大学に行けることになって本州に暮らすことになったら。
長男もまた社会人になってきっと本州で働くんだろうし
そうなると
夫と私がふたり、ぽつんと北海道に残る。
家も買ったんだから当然このままここに2人で暮らすんだろうけど
夫も私も個人的な友人がどうしても実家のある本州にばかりいるわけで
親戚がいるでもないし町内や近所のつきあいもほとんどないこの環境で
ふと
このままずっとほんとにこのまま
ここに暮らさなきゃいけないのか
このままここで年をとっていくのか
子どものために北海道に移ったから子どもの用事が済んだら義務はもう果たせたんじゃないか?とか
なんでまだここにいなきゃいけないんだろう??とか
ここに住んでく意味がどんどんわからなくなってしまう。
これまで住んだいろんな土地で深く関わった友人たちのような生活がらみのつきあいも
この札幌ではびっくりするくらい発生しない。
ここまで個人的な、心を開ける友人がほとんど作れない土地というのは生まれて初めて。
知り合いはいないわけではない。ある場で顔を見れば挨拶くらいはする。
だけど表面的なつきあいだけとも言える。知り合いであって少なくとも友人ではないと思う。

だから
札幌の、ここに住んでる意味をたえず探してる。
ここに暮らす楽しみをどこかに求めては歩いてる。
大好きだった近所の古い店が1軒閉店した。
その前に、近所の古い洋館が取り壊された。
雰囲気のある古い建物はあっけなくこわしてしまう街だ。
けっこう気持ちの支えだったから
そこがないんだったらここに住んでる嬉しさも楽しみも正直もうないんだけど...ってくらい沈んだ。
ここはおしゃれな街とか言われてるけど
そうかぁ〜?ってあんまりそれほどそこに価値をみいだしてなくて
近所のパンケーキ店に朝から行列してるのも冷ややかに見てる。たかがパンケーキに...って。
結局、
息子たちの学区のためだけ、治安が良いほうだという安心感のためだけに
ここにおさまったというだけで
近所の話題の店なんてどーでもよかったりする。こじゃれた店ばかりで
自分がほんとに求めてるものは案外手に入らない。
それくらいこの地域にたいした愛着がもててない。
次男がいるうちにこの気持ちのつまらなさを
なんとかしなければ、と思ってる。
次男が来年大学に行ってから、じゃなく
今からとっかかりを作っておかねば、という気持ち。



 

by yukari  at 18:06
2022年9月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30