自分のため 5
翌朝は快晴だった。
朝食は昨日と同じく、気持ちよく過ごせる近所の喫茶店に迷いなく向かう。
今回はコーヒーとタマゴサンドにしてみた。
ケンミンショーで知った、関西のあったかいタマゴサンドは実際どんなんだろうと。
そしたらたしかにあったかい半熟スクランブルエッグ風なのがはさまって出てきた。
マヨネーズで和えなくてもおいしいもんなんだなぁ。
食後の散歩に、そのまま宿のそばの本能寺にも行ってみた。
本能寺の変、の本能寺だ。歴史で習ったものが実際街の中にまだある、という感動が京都のあちこちに。
錦市場のあたりも少しだけ。でも時間はまだ朝9時でどこも準備中。
錦天満宮にだけちょっと寄って
そして朝のうちに京都を離れた。最終日の目的は大阪在住の友人とその息子くん3歳と空港で会うこと。
今回は阪急電車を使い、途中から地下鉄にのりかえ日本橋で途中下車してちょうど昼。
道頓堀のお好み焼き屋でお好み焼きを食べてから
天下茶屋まで出て、南海電鉄に乗って空港へ。
そしてひと足先に来てた友人母子と合流。
初めて会った息子くんは、うちの息子が3歳だったときを思いだすようななつかしさもあったし、
久しぶりに小さい男の子を前にして可愛らしくて、
まるで孫相手のおばあちゃん気分だった。母親は責任があるからいろいろ大変だけど、おばあちゃんて単に可愛がれる立場というか、
なんかいいわぁ。
友人母子の帰宅を先に見送って、自分は飛行機に乗る前に空港内でひとり夕食。
関空は和歌山に近い、というのも衝撃だったけど、それで『和歌山名物梅うどん』てのもあったりする。
それはあったかいうどんにかつおぶしとネギとかまぼこ、そして梅干し1個がのっかったシンプルなうどん。
関西はダシがちゃんとしててうどんがおいしいから
梅干しのっけたうどんもおいしかった。今度うちでもやってみよう。
今回のANA飛行機旅で知ったことのひとつ
当然のように機内サービスのひとつとしてあった無料ドリンクサービスが
3月末で終わっていた、ということ。
5月末まではキャンペーンとして少しだけ無料の飲み物は『希望者が頼めば』用意してくれるという期間。でも
基本的に向こうからの声かけはなくなった。
そして座席前ポケットには有料の飲み物案内のパンフレットが入ってた。
こんなことになっていようとは。この業界もどんどん節約モードになってきてるんだなぁ。
千歳に着いて飛行機降りてがくがく。
夕方まで23度以上はあったと思われる大阪にいて
飛行機降りたら気温4度の北海道。
格好が23度向きでブラウス1枚で足も出してて
千歳からうちの近くまでバスで移動後、降りてからうちまで10分、その格好のまま
ふるえながら歩いて帰った。
同じ国とは思えない。
やっぱ北海道は遠いんだなぁ。
家庭を持ってから19年。友人の結婚式に行くため、とか、試験受けるため、とか
なにか理由があってのひとりの遠出は何度かやったけど、
ほんとの『旅』としてひとりででかけたことは一度もなかった気がするな。
家族と一緒に、というのは、ご飯も行動も一緒で心細くなくて、どこかなにかを家族の存在に頼りながら動いてて
実は自分の力や勘や神経をフル回転させながらの行動は全然してないことがわかった。
ひとりで見てひとりで決めてひとりで食べてひとりで何かを感じ取って、ひとり、宿に泊まる。
主婦で母になった立場の人は、自分もその気になればできる、ということをうっかりすると忘れてしまう。
そしてだんだん、やる前からできないとあきらめてしまう。
自分もずっと、やれるとは思ってなかったし、そのタイミングにはまだはやいと思ってきた。
でも、今やらないと、この先どんどんいろんなことが億劫になってく気がして、そんな自分はいやだなと思って実行した。
思い切ってよかった。
確実に22年の月日は流れてて
もう自分が過ごしてた京都でないこともはっきりとわかったし、
22年の出来事が自分にかなり影響与えてきたことも実感した。
それがわかってほんとによかった。