シャドーボックス教室
久しぶりに晴れた。
石狩からはるばる来てくれる生徒さんだから
天気がいい日でほんとよかったな。
石狩話をしてもお互い土地勘あるからわかる。
ビッグハウスの六花亭はなくなってねぇ。
でも、9条通りに、おいしい中華屋さんできたんだよ。
ぱんどらはあいかわらず賑わってるよ。
そうか〜、また行きたいな。
北海道に移住して最初に住んだ町。
若い人向けな雰囲気の町ではないけど、活気もあんまりないんだけど、
ちょっと行けば海、そしてちょっと行けばだだっ広い景色、ゆったりした図書館。
中学や高校の進学のことをからめなくて済むなら、けっこう好きな町だ。
今週はずっと居酒屋が忙しくて、モーレツに毎晩働いてた。
特に昨夜は最後の1時間でいっきに皿洗いや片付けを追い上げて、どーにかすべてのことをやっつけて
働いたなーと思いながら控え室に戻って作業履きから自分のブーツに履き替えて、さぁロッカーのほうへ、というとこで
いきなり不整脈。焦った。
みんながやれやれ...と着替えのほうに向かう、そのリラックス空間の中、ひとり、100メートルダッシュ直後以上の
心臓どどどどどど感。あまりのどどどどに体全体が揺れるくらいだった。
『ゆかりさん、忘年会参加できる〜?』のんびりとかかる声。
壁に貼られた忘年会の案内の紙をながめるふりしてなにげにしゃがんで、実はどどどど感に耐えつつ、
「うーん、予定見てから決めるわ〜...」とどうにか答えた。だけど実はそれどこじゃなかった。だから結局会場がどこなのか、
目に入ってなくて日にちしかわからない。
でも「今、不整脈が...」とまわりに言うことができなかった。だって11時近い時間。みんな着替えながら
さぁ帰ろうとしてて、ここで自分の体調のことを言って心配かけるとみんなが帰れなくなる。
せめて同じ方向に帰るバイトさんには言おうか...とどどどどさせながら考えつつも、いや、彼女はなお帰れなくなる...と
言えないまま、座りながらどうにか着替えて、全然おさまらないどどどどに耐えながら一緒に地下鉄に乗り、
先の駅で降りるあたしが「じゃ、お疲れさま〜」で降りて、
そしてそこで限界だった。夫に、助けて...のメール。
しばらくなかったのにな。
でも、勢いよく前屈みになって靴を履き替えて、の姿勢で引き金引いた気はした。
仕事中は気をつけて、皿片付けるときも膝から曲げてゆっくり姿勢低くするようにしてるのに、
昨夜はうっかり仕事後で気を抜いてしまって、靴の履き替えで普通にぐっと前屈みになってしまった。
帰ってもどどどど感は続き、すぐ寝て、今朝も朝食準備は夫に頼んで7時半まで寝かせてもらった。
毎回、もうだめか、と思う。思いながら職場で倒れることだけは避けなければ、と考えてる。
これって、なんか、父の性分に似てるのか、とも思う。
ひとり耐えて、どうにか自力で病院に着いて、ほっとしたところで終わってしまった父に。
不調は不調として素直にまわりに言えば大事にならずに済んだかもしれないのにと
あのとき父に思ったのに、今自分は同じことしてるのかもなぁ。
だけど、妻にも心配かけまいと隠し通した父とはちがって、あたしは夫には救いを求めてるからまだましかな。