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アクセサリーを買うタイミング

自分のためにアクセサリーを買うということがこれまで何回あったろう。

サウスダコタでネイティブアメリカンの子孫にあたるおばさんの店で、
バッファローの角を輪切りして作ったという首飾りを自分のために買って、
お守りみたいになっちゃってなんかあればそればかり首からぶらさげてきた。
自分のためにそういうものを買うというのは、
あたしの場合、なにか特別な意味とか理由とかフィーリングがぴったり合わないとなかなかむずかしい。

けど、この春、ひとつの出来事が。
ほとんど開いてない店がたまたま開いてるタイミングにでくわした。ほんと、たまにはこっちの道通って帰ろかな、で
いつものルートとちがう方を選んだそのときだった。

あたしは吸い寄せられるように店に入り、独特の店内のものを興味深く見させていただいてたら、
怖いのかなと勝手に思ってたお店の女性がにっこりとそばにやってきて、くわしく説明してくれた。
どうやら、あまりにすみずみ、時間かけてひとりで食い入るように商品を見てたあたしに、
こういうものが好きな人なんだろうと好感を持ってくださったらしい。
あたしは単に、よくまぁこんな昔のものが保存されてるなぁと好奇心でながめてただけだったけど、
説明を聞くと物のことや価値がとてもよく理解できて、
今度はあたしがこの店やお店の方に好感を持ち始めた。
アクセサリーも「すべて腕のたつ職人手作りの、1点ものです」というとおり、チェーンのとこがすんごく細かく、
こんなの見たことないかも、という繊細さ。
そこで、その中でもひとつだけあたしが「わ、これはきれいやな〜」というのがあって、
財布の中にそれだけ買える分のお金がぎりぎり入ってた。
いつもならそういうことにお金をださないあたしが、そのときはほとんど抵抗なくそれを買い、
お店の会員カードもいただいた。会員になれたのか、と思うとけっこう嬉しかった。で、
これをぜひとも結婚記念日まで隠しといて、
記念日にお酒飲むときにでも夫にこのことを告白して驚かそう、そう決めた。

大事な告白がある、と予告したあたしに、夫は「え...なんか紙だして判子押せとか言う?...」
どういう想像を...。
そして当日、『告白はこれのこと』と見せた。ほっとした顔を見せながら、
あたしの『買った物というより、どこで買ったかということ』という問いかけに少し悩みつつもヒントとして出した、
『びっくりするよ〜』に意外とすんなり一発正解を。

「人形屋佐吉?」

『そう!』



by yukari  at 12:09
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