昨日のこと
昨夜の定期演奏会。
校歌の指揮を無事済ませ、
演奏もスムーズに進行し、
先生へ贈呈の花束も、期待以上に見栄えのする素晴らしいものが届いていたことに安堵し、
これで安心して最後のアンコール曲が聴ける、やれやれ、と思った終盤。
そこで、
例年なら演奏だけで終わるのに、指揮をしてた顧問の先生が突然会場に向かって話を始めた。
「昨年、”先生、どうして話をしてくださらないんですか?”という声がありまして、今回は少し話しをさせていただこうかと思いますが、
この演奏会は生徒たちが主役ですので、僕が話すよりも、この93名の部員をまとめてきた部長であります彼に、話をしてもらおうと思います」
部長であります、のとこで、え...えぇ?!と夫、次男、あたしは驚きすぎて固まった。
当然、長男がチェロを置き、ステージの真ん中前方に出てきた。おいおいおい。
まっすぐ立ち、一礼し、「本日はありがとうございます」と観客席に向かって語るように挨拶しはじめた。
あたりさわりのない挨拶程度で終わるのかと思いきや、「僕は良い部長ではなかったと思います。性格から、みんなにちゃんと指示もできなかった。傷つけるようなことも言ったかもしれない...」と感極まって涙声になっていき、
それをキタラの大ホールの観客&部員の仲間が息を飲んで見守る、という状態になり。。。
「僕は...自信をなくしたこともありましたが...こうして今日を迎えられて...続けてきてよかったと思います...
これで引退させていただきます。ありがとうございました。」
観客席に向かって深く礼をし、部員のほうに向いて深く礼をした息子...。
ホール内に大拍手が沸き起こった。
あたしは、
息子が涙で最後までしめくくれずに終わるんじゃないかとハラハラで、どうにか締めくくれたことで心底ほっとしつつも
この思いもよらない展開に正直あっけにとられてたけど、
横では夫が泣いており、ステージ上には涙をぬぐう部員が見え...。
「それでは最後にもう1曲演奏します」の先生の挨拶でアンコール用の曲を演奏し、
大拍手の中、定演は終わった。
スピーチのことはおととい急きょ決めたと、あとで先生が教えてくれた。
息子、うちで言ってくれないから、うちらはまったく知らなかった。
何を話すか、当日の朝もずっと考えてたのかもしれない。前日も当日もどこかうわのそらな様子だったのは
そういうことだったのかもしれない。スピーチするって言ってくれればいいのに。
全部終わって夜中に帰宅した息子に「スピーチのこと、聞いてなかったからびっくりしたよ」と言ったら
「言ったらもっと緊張すると思って」と。それは本人がというより、あたしが、ということだったのかもしれない。
気をつかわせちゃったのかー。