突然のこと
こういうことはいつも突然。
けっこう動揺する。
そして落ち着くように努力し、そして今自分たちにできることを考える。
遠くにいる自分たちにできることは
やはりすぐに弔電を打つこと。
こういう日がいつかは来るかもしれないということを
日頃は考えてるようで実は考えてないのかもしれない。
いざその日がくるとこんなにもショックなのだから。
夫があたしと出会う前、東京で、
ある少年の家庭教師のバイトをしてた。当時その子はまだ小学生。
遊び相手にもなったりしてたそうだけど
そこのお父様やお母様に大変良くしてもらったそうだ。
ひとりっこのその少年が大学生になった頃、
若くしてお母様が亡くなられてしまい、
その知らせに夫もショックを受けたようだったけど
少年はたくましく育ち、まさにお父様の血筋を受け継ぎ、
大変礼儀正しい青年になられた。
大学生の彼はうちらの結婚式の2次会にも来てくれ、
結婚1年目の記念日には彼からお祝いのお花まで届いて驚かされた。当時、彼はまだ20歳になってなかったはずだ。
彼の律儀さ、親御さんの躾がいかにきちんとされてたかがわかった。
あれからだいぶ年数も経ち、男2人暮らしの中で
30代になった彼はお父様の会社を引き継いで社長という立場にもなり、
プロレス中継などで忙しく活躍されてるということで
あぁよかったな、と遠くから安堵してたところがあった。
その、彼のお父様が亡くなられたと昨日ニュースで知った。
77歳という年齢は
自分たちの親と同世代だけど
ひとりっこで、ずっとお父様と暮らしてきて、そのお父様が亡くなったというのは
どんなにさみしいことだろう。
ただひとつ救いは、彼が最近結婚していたということだ。
ひとりぼっちじゃなかった、そばにもうひとりいたんだ、ということに
少しほっとした。お父様も同じ気持ちかもしれない。
偉大なお父様だったと思うよ...夫がつぶやいた。