撮っといてよかったもの 5
ある方からのリクエストにこたえようかと思ったけれど
正面顔は恥ずかしすぎるので...
けど、これはほんとに『撮っといてよかった』写真だ。
...この時あたしは、目の前の赤い盃からじっと目をそらさないように頑張ってた...
なぜなら...あたしが座っている椅子というのが折りたたみ式の座面が布ばりの、背もたれもない、
ひじょーに不安定な椅子で、
重い角隠し頭に加え、重い打ち掛け姿、帯けっこうぎゅーぎゅー...の
しんどい状態だったのに座った体勢もまた...
背中の打ち掛けを少し上にもちあげてずらしとくこともしないまま(ていうか、介添えの方がそういうことやってほしかった〜!)
座ってしまったせいで...
自分のお尻で自分の背中の打ち掛けを下にひっぱることとなり...
当然上半身が後ろに倒れ気味となり...
だけどそのままここで花嫁が後ろにひっくり返ろうものなら、式は”ハプニング大賞”的な格好悪い状況になってしまう...
それも今横では厳かに巫女さんの舞いが繰り広げられていて、張りつめた空気感...
だめだだめだ、ゼッタイひっくり返れない!ここは腹筋でぐっと耐えるしか...
均衡を保つためにも、目の前の盃からゼッタイ目を離さないようにしなければっ!!(大汗)
というわけで
舞いなんてひとつも観れてないし
式のあいだじゅう神聖な気分どころじゃなく
ようやく起立の指示が出て、横に介添えの方がにこやかに近づいてきてくれたときには
心の中で「...助かった...」しかなく、
「けどなんで向こうに離れてるのよ〜、さっきからもう少し近くにいてくれれば目で合図してどうにかしてもらいたかったのに〜!」という
やり場のない、もう今さら...の怒りすらわいてきたりして
自分にとっての結婚式は、しんどさしかなかった。だからこうして写真でようやく
当日の舞台上の様子が観れた、というわけだった...。せつない。